カラフルな食を支える科学のルール:着色料の「安全」について

平田 祥太郎

みなさんは、お店でカラフルなグミやアイスを見て「おいしそう!」とワクワクしたことはありませんか?

 食品を鮮やかに彩る「着色料」は、私たちの食卓を楽しくしてくれる身近な存在です。しかし、「体に悪そう」「どんなルールで使われているの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。ここでは、日本の着色料(食品添加物)に関するルールについて解説します。

 日本で使える着色料は、国が安全性を科学的に厳しくチェックし、認可したものだけです。

 化学的に作られたものから植物などの自然由来のものまで、すべて厳しいテストをクリアしています。ただし、認可されているからといって「どれだけ使ってもいい」わけではありません。そこには厳しい「使用基準」があります。

 一つは「量」の制限です。人間が一生の間、毎日食べ続けても体に影響がない量を計算し、それよりも十分低い量が食品ごとに上限として決められています。

 もう一つは「対象食品」の制限です。例えば、お肉や魚、野菜などの生鮮食品への使用は禁止されています。色を鮮やかにして、古いものを「新鮮だ」と勘違いさせるようなごまかしを防ぐためです。カステラや麺類などの伝統的な食品にも、本来の品質をごまかさないために同様の制限があります。

 では、なぜニュースなどで「基準違反」が起きるのでしょうか?主な原因は二つあります。

 一つは「うっかりミス」です。先ほどお話しした「使用が禁止されている食品(カステラなど)」に、メーカーの認識不足や製造ラインのミスで誤って使ってしまうケースです。

 もう一つは「海外とのルールの違い」です。実は、国によって認可されている着色料は異なります。海外のグミなどで一般的に使われている着色料(アゾルビンなど)が、日本では未認可のため、輸入した際に違反となる事例があります。海外で安全とされていても、日本のルールに合わなければ違反になります。

 

 着色料等の食品添加物は悪者に見られがちですが、こうした厳格なルールによって食の「安全」と「食べる楽しさ」が守られています。

 今度お菓子を買うときは、ぜひ裏面の「原材料名」を見てみてください。食を支える科学のルールが、垣間見えるはずです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
平田 祥太郎
平田 祥太郎
ひらた しょうたろう

奈良女子大学 生活環境学部 食物栄養学科 専任講師

獣医師、博士(環境学)
研究テーマ:多様な食品を対象とした残留農薬およびカビ毒の分析法開発
食の安全安心に関する研究を通じて、食品衛生および食品輸出の発展に貢献することを目指しています
研究キーワード:食の安全安心/残留農薬/カビ毒/抗生物質オキシテトラサイクリン/合成抗菌剤オキソリニック酸/パツリン/ワンヘルス

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