木の家はどうすれば長持ちする?
わが国では、木造の住宅や建築物がたくさんあります。寺社建築では、古くは奈良時代に造られ、現在まで使い続けられているものもあります。わが国は森林資源が豊かで、森林から得られる木材は比較的加工しやすく、軽い割には強度があり、建築用材として優れています。また、人の感性とも調和し、人にやさしい材料ともいわれています。一方、木材は自然界に存在する菌類や昆虫類の栄養源でもあるため、これらに分解され、朽ちたり、腐ったりします。木材を生活用材や建築用材として、健全な状態で、安全に快適に使い続けていくためには、どうすれば良いでしょうか。

つくる時、材料を選ぶ時、使う時、使い続ける時、それぞれの時にしなくてはいけないことがあります。木材の特性を知り、劣化の要因を理解して、木材が傷みにくいように使う、周りの環境を整える、樹種の特性を活かして樹種を選ぶ・使い分ける、適切に加工する、施工する、ことです。ここまでは建物が完成するまでにできること、すべきことです。次に、完成後は、適切な管理(メンテナンス)を続けることが必要です。住宅や建築物は存在し、使われることで、元々の性能は低下していきます。しかし、点検や補修をして元の状態に戻そうとしたり、時には、新たな性能を付加するために改修したり、それらを繰り返していきます。長期使用を見据えて、維持保全計画をたて、日常的、定期的にメンテナンスをしていくことが大切です。経済的な計画も必要です。また、居住者、使用者、所有者が管理の必要性を知り、丁寧に使い、管理していくことも大切です。
このように、資源を有効に使い続けることは、環境負荷を抑え、地球環境を保護することにもつながります。わが国では多くの場合、住宅や建築物は個人の所有物ですが、個が集まって、地域、街、都市を形成しています。つまり、個人の住宅や建築物は社会財でもあるのです。

実際には、個人だけでは難しい管理もたくさんあります。社会的なシステムを整備しながら進めていくことが求められています。人口の高齢化、建物の高齢化、制度やシステムの高齢化により住まいの管理、空き家の管理、マンション管理においても新たな課題が山積しています。これからの時代に求められる管理のあり方を考えてみませんか。