土の力でまちをもっと美しく!
皆さんが暮らすまちの景観、その良し悪しを決める大きな要因に大地を覆う舗装材があげられます。日本ではほとんどの車道にアスファルトが使われていますが、これは化石燃料を主原料とするもので、決して環境に良いとは言えません。また歩道によく使われるインターロッキングブロックはセメントを使って固めたもので、これも製造時に多くのCO2を排出することが知られています。これらは地球温暖化を助長するとともに雨水が大地に染み込むことも阻害する傾向にあるといえます。また、役目を終えた後には産業廃棄物となり、その処理にも苦慮していました。しかし、この事実に何ら疑問を持つこともなく、現在に至るまでこれらの材料を当然のものとして使用し続けてきました。
そのようななか、2050年のカーボンニュートラルを目指す動き、気候変動への対応、そしてクリーンな脱炭素社会を実現するという社会背景を受け、セメントを一切使わないで土を固める工法「ゼロセメント土系舗装」の開発をスタートさせました。「ゼロセメント土系舗装」は、セメントや樹脂を一切使わず、自然由来の固化材で土を固め、コンクリート製品並みの強度を出すことに成功しました。 ここで言う自然由来の固化材とは、酸化マグネシウムや塩化マグネシウムで、これらは豆腐を固める「にがり」と同じような成分なのです。また、古来より民家の土間などに使われてきた三和土(たたき)も同じような製法で固められています。

この工法により、以下の3点を実現することができました。
- 高い吸水性と強度の獲得:吸水率が極めて高く、雨水を一定時間保持する温度低減効果を確認するとともに、車両が乗入れる場所においても使用可能な強度が実現。
- 自然‧人体への配慮:日光の照り返しを軽減するとともに土の柔らかな素材感は、人間にとって疲れにくい歩行感を実現するとともに、安心感あるイメージを提供。
- サスティナブル性の実現:CO2排出量の大幅な削減、最終的に産廃にならず土に還元できるというメリットがある。
景観にも環境にも優しい「ゼロセメント土系舗装」は、2025年グッドデザインベスト100を受賞することができました。今後、日本中に広く普及することで、さらに美しいまちが創造できるとともに、カーボンニュートラルに向けた取り組みを広く普及することが可能となります。一方で、様々なコンクリート二次製品の代替品も、土で製造していくことが可能となっていくと考えています。
